グリーンで繋がる街づくり。都市の刺激と緑の気持ちよさが両立できたら
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グリーンで繋がる街づくり。都市の刺激と緑の気持ちよさが両立できたら

ビジネス街のイメージが強い虎ノ門に、花やヨガを軸にした、新たなライフスタイルが生まれている。

虎ノ門ヒルズ 森タワーが誕生したときから、この街の運営に携わってきた中裕樹さん。現在は「グリーン」をキーワードに、ソフトとハードを横断する街づくりに取り組んでいる。

高層建物や大規模イベントなど、一見スケールが大きいように感じる、街づくりという仕事。しかし彼はどんな時も、「身近な人と人のつながり」を大事にしながら、街を育んできたと言う。

「六本木楽」で目にした光景

学生の頃、六本木ヒルズの夏祭りの前夜祭「六本木楽」を見に行ったことがありました。そこでは、働いている人、住んでいる人、遊びに来ている人、そして森ビル社員が一緒になってイベントを盛り上げていました。想像していた華やかなヒルズとは全く違っていた。社員も地域の人たちも一体感があり、表情がすごく楽しそうで印象的で。内心驚きながらアリーナを歩いて回っていると、自治会の方と談笑する当時の社長や役員の姿までありました。

「森ビルは地域の人と繋がりながら街を創り、街を育んでいる」新卒採用のパンフレットの文字にはそう書いてありました。でも、実際にその光景を目の当たりにすると、文字や写真では感じることのできない、その場の空気感がどっと胸に押し寄せてきました。こんな会社だったら長く働ける。そう思いました。いつか自分も、あの空気の内側に居られるだろうか。

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入社して最初の配属先は、「六本木楽」などを担当するような街の運営部門ではありませんでしたが、休日に「いばらき市」を手伝ったり、「六本木クリーンアップ」に参加したり、それこそ「六本木楽」で自分が踊ったり。六本木ヒルズという街やそのコミュニティに関わっているという実感を持ちながら働くことが出来ました。こういった森ビル社員ならではの都市生活は、入社前に憧れていた暮らしそのものでした。

生まれたばかりの「虎ノ門ヒルズ」という街に、新しいコミュニティをつくるには

「虎ノ門ヒルズ 森タワー」が開業した直後の2014年8月、タウンマネジメント事業部に異動しました。まだ生まれたばかりの虎ノ門ヒルズという街で、にぎわいを生むさまざまなイベントやコミュニティ活動を企画する仕事です。入社前に「六本木楽」で見た、生き生きとした街のコミュニティ。森ビル生活の原体験ともいえるあの光景を、虎ノ門という街でも実現するために、日々奔走しました。

オープン初年度は目まぐるしい1年でした。オーバル広場のパブリックアート「ルーツ」のお披露目イベント、クリスマス、ヨガなど、怒涛のイベントラッシュ。毎日が文化祭のような日々でした。それでも、イベントの企画側に自分がいて、企画したイベントを楽しむお客さんがいて、それを直接見て、直接声を聞くことができて。幸せな日々でもありました。生まれたばかりのこの街に、六本木ヒルズと同じように活気に溢れた、新しいコミュニティが生まれていくのを感じていたので。

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花と暮らすライフスタイルが素敵だと思った

虎ノ門ヒルズという街は、まだ進化の真っ最中。建物が出来て完成ではなく、この場所ならではのライフスタイルが育っていってほしい。そこで手がかりになったのが「花」でした。

海外では、花と暮らすライフスタイルは素敵だという価値観がありますよね。例えば、飛行機で帰ってきた家族を花を持ちながら待つ、とか。日本ではあまり見られない光景ですが、花を選ぶことで相手のことを考える、企画者のフラワースタイリストのお話を聞いていて、僕はそういう文化が、とても素敵だと思った。

そこで、「花」が身近にあるライフスタイルが根付いていけばいいなという想いを込めて「TORANOMON FLOWER MART」を企画しました。規模こそ小さいながらも、僕が立ち上げたイベントの1つです。

「ビジネス街のイメージが強い虎ノ門で、なぜ花のマーケットをやるのか」と、最初はあまり理解されませんでした。一方で、虎ノ門ヒルズ 森タワーが位置する桜川町会長さんがフラワーショップを営んでおり、日比谷公園や芝公園も近く、花はこの街で人々をつなぐテーマになるという確信もあった。

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現在も「TORANOMON FLOWER MART」は定期的に開催されています。実は、フラワーショップの方々も、横のつながりが薄いという問題を抱えていたんです。虎ノ門ヒルズに集まることによって、結果的に、フラワーショップ同士のつながりを生み出す場となった。周辺住民の方がリピーターになってくれて、顔見知りも増えて、お客さんとのつながりも生まれていった。開業から6年、虎ノ門ヒルズに新しいコミュニティが育っていく様子を肌で感じることができました。

「グリーン」が生むライフスタイルが、東京中に伝播したら

虎ノ門ヒルズでは、イベントを通してコミュニティを育んできました。現在は、同じタウンマネジメント事業部内のパークマネジメント推進部という部署で「グリーン」という視点で街やエリア全体をつなぐ仕事に挑戦しています。建物や植栽計画、管理や運営。緑に関わる事柄をつなげることで新しい価値を生んだり、環境という世界的な都市課題も解決していかなければいけない。

日常生活に寄り添ってくれるような、都市の中の「グリーン」。そこに加えて、街を走る車は全てEVで、イベントからはCO2が出なくて、廃棄物は全て循環する、みたいなスケールやテクノロジーは、都市だからこそ実現できるんじゃないかなって。都市=環境負荷が高い、というイメージを覆していきたいんです。都市ならではの刺激や面白さがあって、だけど緑に囲まれて気持ちよくて、という街をつくりたい。

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重要なのは、ハードからソフトまで一貫してサステナビリティという視点を持つこと。環境によい建物をつくっても、そこで開催されるイベントがつくって壊しての繰り返しだったり、廃棄物やフードロスがたくさん発生する、では上手くいかないですよね。「都市を創り、都市を育む」というビジョンをもって、1社で一気通貫のまちづくりをする森ビルだから、できることがある。都市は、建物が完成したら終わりではありません。そこから人々の営みが始まり、コミュニティが生まれ、街がいつまでも続いていくための仕組みをつくることで、はじめてライフスタイルが生まれる。

日本や世界を見渡せば小さな街の一つかもしれませんが、この街を東京のモデルケースにしたい。そこで生まれるライフスタイルがよいものであれば、他の街にも伝搬していく。そんな視点を持ちながら、目の前の仕事に取り組んでいます。

「六本木楽」の場でみたような、沢山の人と人のつながりをつくりたいとずっと思ってきた。少しずつですが、手ごたえはあります。これからは、「グリーン」という軸を通して、新しい街のつながりを育むことに挑戦していきたいです。

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中 裕樹|Hiroki Naka
2008年入社。オフィス事業部、用地企画部を経て、タウンマネジメント事業部にて虎ノ門のエリアマネジメントに携わる。現在はパークマネジメント推進部にて、「グリーン」を軸に、ソフト・ハード両面の街づくりを推進する。最近自宅で、生ごみを堆肥に変えるコンポストを始めた。NPO法人グリーンバード監事。誕生日は5月4日(みどりの日)。
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